冠詞a an theを使い分ける

英語では、名詞の前に小さな語を置いて「一つの何か」なのか「聞き手にも分かる特定のもの」なのかを示します。その代表が冠詞の a、an、the です。日本語には同じ仕組みがないため、単語の意味は分かっても冠詞を迷いやすいものです。大切なのは、a と an をつづりではなく音で選ぶこと、そして話し手と聞き手がどのものか特定できるかを考えて the を選ぶことです。

目次

基本ルール

aとanは不特定の一つ

a と an は、数えられる名詞の単数形に付き、「ある一つ」「一人」という意味を加えます。初めて話題に出すものや、同じ種類のどれでもよい一つを表すときに使います。I need a pen. は「ペンが一本必要です」で、どのペンかは特定していません。複数形や、そのままでは数えない名詞に a、an は付きません。

aとanは次の音で選ぶ

次の語が子音の音で始まれば a、母音の音で始まれば an を使います。a book、a dog に対し、an apple、an egg です。判断するのは最初の文字ではなく音です。hour は h を発音せず母音の音で始まるので an hour、university は「ユ」のような子音の音で始まるので a university です。

theは特定できるもの

the は、話し手と聞き手が「どれのことか」分かるものに使います。一度話題に出したもの、状況から一つに決まるもの、後ろの説明によって特定されるものなどです。I saw a dog. The dog was friendly. では、最初は初登場なので a dog、二度目はその犬だと分かるので the dog です。the は単数形だけでなく、the students のような複数形や the water in this bottle のような数えられない名詞にも使えます。

作り方・使い方

名詞が数えられる単数か確認する

まず、冠詞の後ろの名詞を見ます。数えられる名詞が一つなら、通常は a、an、the、my など、何らかの限定する語が必要です。I bought book. ではなく I bought a book. とします。複数の本なら I bought books. や I bought three books. とでき、a は使いません。

聞き手が特定できるか考える

まだどれか分からない一つなら a/an、互いにどれか分かるなら the です。教室で先生が窓を指して Open the window, please. と言えば、どの窓か状況で分かります。一方、文房具店でどれでもよいノートを一冊探しているなら I want a notebook. が自然です。初登場かどうかは便利な目安ですが、最終的には特定できるかが判断の中心です。

必要ならaとanを音で分ける

不特定の単数だと決めた後、次の語を声に出します。母音の音なら an、それ以外なら a です。名詞の前に形容詞がある場合は、その形容詞の最初の音で決まります。an old book は old が母音の音、a useful book は useful が「ユー」という子音の音で始まります。名詞だけを見て選ばないようにします。

冠詞を使わない場合もある

物事を一般的に述べる複数形や不可算名詞では、冠詞を置かないことがあります。Dogs are friendly animals. は犬という種類全体、Water is important. は水一般について述べています。特定の犬や水なら the dogs in this park、the water in the glass とします。「冠詞がない=間違い」ではなく、名詞の数と話す範囲を合わせて判断します。

例文

She bought a notebook after school.(彼女は放課後、ノートを一冊買いました。)初めて出る不特定の一冊なので a です。

She wrote her name on the notebook.(彼女はそのノートに名前を書きました。)前の文で出たノートを指すため the です。

Ken ate an apple after lunch.(ケンは昼食後にリンゴを一個食べました。)apple は母音の音で始まります。

Ken is an honest student.(ケンは正直な生徒です。)honest の h は発音されず、母音の音で始まります。

My sister goes to a university in Tokyo.(私の姉は東京のある大学に通っています。)university は「ユ」の音で始まるため a です。

Please close the door.(そのドアを閉めてください。)その場にいる人がどのドアか分かる状況です。

The books on this desk are mine.(この机の上の本は私のものです。)on this desk が本を特定し、複数形にも the が使われています。

よくある間違い

文字だけを見てaを選ぶ

誤りは She ate a apple after lunch.、訂正は She ate an apple after lunch.(彼女は昼食後にリンゴを一個食べました。)です。apple は母音の音で始まるため、an が必要です。これは冠詞の形に関する文法的な誤りです。

母音字なら必ずanだと思う

誤りは He is an university student.、訂正は He is a university student.(彼は大学生です。)です。university は母音字 u で始まりますが、発音は子音の音「ユ」から始まります。つづりではなく、直後の語の音を聞きます。

初登場なのにいきなりtheを使う

何の説明もない場面で I saw the cat in the park. と言うと、聞き手は「どの猫か知っているはずだ」という意味に受け取ります。公園で初めて見た一匹なら I saw a cat in the park.(私は公園で猫を一匹見ました。)が自然です。元から互いに知っている猫を指すなら the cat も文法上可能なので、これは状況と意図の違いです。

複数形にaを付ける

There are a books on the shelf. は文法的に誤りです。何冊かなら There are some books on the shelf.(棚に本が何冊かあります。)とし、一冊なら There is a book on the shelf. とします。a/an は一つを示すことを忘れないでください。

確認問題

文の意味と直後の音を考え、a、an、the から選んでください。

  1. I waited for (a / an / the) hour.
  2. I found (a / an / the) key. Later, I gave (a / an / the) key to my mother.
  3. Please turn off (a / an / the) light in this room.

解答

不特定か特定か、音は何かを順に確認します。

  1. I waited for an hour. hour は母音の音で始まるため an です。
  2. I found a key. Later, I gave the key to my mother. 初登場では a、二度目は同じ鍵だと分かるので the です。
  3. Please turn off the light in this room. 部屋のどの明かりか状況と説明で特定できるため the です。

まとめ

a と an は、数えられる単数名詞について不特定の一つを表します。直後の語が子音の音で始まれば a、母音の音で始まれば an です。the は、会話の相手にもどれか特定できるものに使い、単数・複数・不可算名詞のどれにも付けられます。「名詞の数」「特定できるか」「次の音」の順に考えると、三つの冠詞を意味に合わせて選べます。

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