動詞の後ろに名詞や形容詞があるとき、それが補語Cなのか目的語Oなのか迷う人は少なくありません。第2文型SVCと第3文型SVOは、見た目が似ていても、後ろの語と主語の関係が異なります。大切なのは、単に単語の品詞を見るのではなく、Cなら主語を説明して「S=C」、Oなら動作の対象となって「S≠O」になると考えることです。この記事では、文の意味から二つの文型を見分ける手順を、初学者向けに整理します。
基本ルール
SVCのCは主語を説明する
SVCは「主語S + 動詞V + 補語C」の形です。補語Cは主語の状態、性質、正体などを説明します。Ken is a student. では、Ken と a student は同じ人なので「S=C」です。The room looks bright. でも、明るく見えるのは部屋そのものです。Cには名詞だけでなく、happy や quiet のような形容詞も置けます。
SVOのOは動作の対象になる
SVOは「主語S + 動詞V + 目的語O」の形です。目的語Oは、主語が行う動作の相手や対象を表します。Ken uses a computer. では、使う人はケン、使われる物はコンピューターで、両者は同じものではありません。つまり「S≠O」です。I like music. の music も、好きという気持ちが向かう対象であり、I を説明する語ではありません。
後ろが名詞でも文型は一つに決まらない
名詞が動詞の後ろにあるだけでは、CかOかを判断できません。My aunt became a doctor. の a doctor は、おばの変化後の立場を表すCです。一方、My aunt visited a doctor. の a doctor は、訪ねた相手を表すOです。同じ名詞でも、動詞と文全体の意味によって役割が変わります。
作り方・使い方
最初に主語と動詞を見つける
まず「誰が・何が」に当たる主語と、その後ろの動詞を確認します。Our classroom looks bright. なら、Sは Our classroom、Vは looks です。残った bright が教室を説明しているためCとなります。長い文でも、修飾語をいったん外して骨組みを見ると判断しやすくなります。
「S=後ろの語」が成り立つか確かめる
次に、主語と動詞の後ろの語をイコールで結べるか考えます。The soup tastes good. なら「スープ=おいしい状態」と考えられるのでSVCです。Rina tasted the soup. なら、リナとスープは同じものではなく、スープは味見した対象なのでSVOです。日本語訳だけに頼らず、誰や何を説明している語かを確かめます。
動詞が「つなぐ働き」か「対象へ向かう動作」かを見る
be、look、become などは、主語とその説明をつなぎ、SVCを作ることが多い動詞です。like、use、need などは、動作や気持ちの対象を直接取り、SVOを作ります。ただし動詞名だけで決めず、実際の使い方を見ます。He looked tired. はSVCですが、He looked at the clock. では at the clock は前置詞句で、同じ形ではありません。
形容詞が目的語になるとは考えない
基本的なSVOのOには名詞や代名詞が来ます。She looks happy. の happy は形容詞で、見る動作の対象ではなく、彼女の様子を説明するCです。「動詞の後ろだからすべて目的語」と考えると誤分類します。品詞は手掛かりになりますが、最後は意味の関係で確認します。
文型が変わると意味も変わる
grow のように使い方が変わる動詞もあります。The boy grew tall. は「少年は背が高くなった」で、tall が少年を説明するSVCです。The boy grew tomatoes. は「少年はトマトを育てた」で、tomatoes が育てる対象となるSVOです。辞書で動詞の意味と例文を一緒に見る習慣が役立ちます。
例文
This book is useful.(この本は役に立ちます。)useful は本の性質を説明し、「This book=useful」の関係になるためSVCです。
My brother became a chef.(兄は料理人になりました。)料理人は兄の変化後の職業なので、a chef はCです。
The music sounds beautiful.(その音楽は美しく聞こえます。)美しく聞こえるのは音楽で、beautiful は主語を説明しています。
Our class uses this room.(私たちのクラスはこの部屋を使います。)部屋は使う対象なのでOであり、クラスと部屋は同じものではありません。
Emi likes science.(エミは理科が好きです。)science は好きという気持ちが向かう対象なので、文はSVOです。
We opened the window.(私たちは窓を開けました。)the window は開ける動作を受けるOです。
よくある間違い
名詞ならすべて目的語だと考える
My father is a teacher. の a teacher をOとするのは誤りです。父と教師は同じ人で、教師は父の正体を説明しています。そのため文型はSVCです。名詞という形だけでなく、「S=後ろの名詞」が成り立つかを確認します。
形容詞を副詞に変えてしまう
She looks happily. は「彼女が幸せそうに見える」という意図には不適切です。正しくは She looks happy.(彼女は幸せそうに見えます。)です。happy は looks の様子ではなく、主語 She の状態を説明するCなので形容詞を使います。
SVOなのにS=Oと考える
I need a pen. で「I=a pen」と考えることはできません。ペンは必要とする対象なのでOです。日本語の「私はペンが必要だ」だけを見ると関係が分かりにくい場合がありますが、英語では need が目的語を直接取るSVOだと骨組みで捉えます。
文法上可能な文を意図どおりだと思う
「姉は新しい自転車を買った」と言いたいのに My sister became a new bicycle. とすると、形そのものはSVCとして解釈できますが、「姉が新しい自転車になった」という不自然な内容になります。意図した文は My sister bought a new bicycle. です。ここでは自転車が買う対象なのでSVOになります。
確認問題
動詞の後ろの語が主語の説明か、動作の対象かを考えてください。
The sky became dark.はSVCとSVOのどちらですか。SとCまたはOも示してください。Yuki uses this dictionary.はSVCとSVOのどちらですか。理由も答えてください。- 「その犬は空腹そうに見えます」を
lookを使って英語にし、後ろの語の役割を答えてください。
解答
「イコール関係」と「動作の対象」を一問ずつ確認します。
- SVCです。Sは
The sky、Cはdarkで、暗くなったのは空なので「S=C」が成り立ちます。 - SVOです。Sは
Yuki、Oはthis dictionaryです。辞書は使う対象で、ユキと辞書は同じものではありません。 The dog looks hungry.です。hungryは主語The dogの様子を説明する補語Cです。
まとめ
SVCのCは主語の状態や正体を説明し、基本的に「S=C」の関係になります。SVOのOは動作や気持ちが向かう対象で、「S≠O」です。be、look、become は補語を、like、use などは目的語を取ることが多いものの、動詞名だけで決めるのではありません。主語と動詞を見つけ、後ろの語との意味関係を確かめれば、名詞が続く文でも正しく分類できます。
