受け身で動作主のbyを省略する場合

受け身の文では、動作をした人やものを by + 動作主 で示せます。しかし、受け身だから必ず by を付けるわけではありません。My umbrella was stolen yesterday. のように、盗んだ人が分からない場面では動作主を省くほうが自然です。一方、絵の作者や発明者などが重要な新情報なら残します。受け身が何へ焦点を当てる形なのかを理解し、文脈から必要性を判断しましょう。

目次

基本ルール

受け身は動作を受ける側へ焦点を当てる

受け身の基本は 主語 + be動詞 + 過去分詞 です。主語には動作を受ける人や物を置きます。The school festival is held in October. では、誰が開催するかより、文化祭がいつ行われるかが中心です。受け身を選ぶだけで焦点が動作主から結果や対象へ移ります。

動作主が不明ならby以下を省く

My umbrella was stolen yesterday. では、誰が盗んだか分からないことが普通です。by someone を付けても文法的には作れますが、「誰かに盗まれた」ことはすでに盗難の意味から分かります。新しい情報にならないため、通常は省略します。

動作主が重要でなければ省く

English is spoken in many countries. では、英語を話す一人ひとりを列挙する必要がありません。The road was repaired last month. でも、道路が修理された事実や時期が重要なら、作業した会社や人は書かなくてかまいません。

動作主が文脈から明らかなら省く

学校の予定を説明して The tests will be checked tomorrow. と言うとき、採点するのが教師だと文脈から明らかなら by the teachers は不要です。すでに分かっている情報を繰り返さず、聞き手が知りたい結果や予定を前に出します。

作り方・使い方

まず何を話題の中心にするか決める

文を作る前に、「誰が行ったか」と「何がどうなったか」のどちらを伝えたいか考えます。結果を受けた物が中心なら受け身にし、The window was broken. のように述べます。行為者を中心にしたいなら、Ken broke the window. のような能動文のほうが簡潔な場合もあります。

不明・不要・明らかの三点で判断する

動作主が分からないか、分かっていても重要でないか、聞き手がすでに分かるかを順に確認します。一つに当てはまれば、省略が自然なことが多いです。This bridge was built in 1990. で建設年が話題なら、建設会社を無理に加える必要はありません。

作者・発明者など重要な新情報は残す

This picture was painted by my grandfather. では、祖父が描いたこと自体が伝えたい新情報です。The telephone was invented by Alexander Graham Bell. のように、発明者や作者を示す場合も by 以下に価値があります。省くと文の要点が失われるなら残します。

byの後ろには動作主を置く

by の後ろには、その動作を行った人やものを置きます。代名詞なら by me、by him、by them のように目的格を使います。ただし手段を表す with a key や材料を表す of wood は、動作主の by とは別の関係です。

by someoneを自動的に付けない

能動文の主語が someone、people、they でも、その情報が具体的でなければ受け身で省くことが多くあります。Someone stole my bike. を受け身にするなら、通常 My bike was stolen. で十分です。形だけの書き換えより、情報の価値を考えます。

例文

The school festival is held in October.(文化祭は10月に開かれます。)開催する人より、文化祭の時期が重要なので動作主を省いています。

My umbrella was stolen yesterday.(私の傘は昨日盗まれました。)盗んだ人が不明なため by someone は通常不要です。

The road was repaired last month.(その道路は先月修理されました。)修理の結果と時期に焦点を当てています。

Rice is grown in this area.(この地域では米が栽培されています。)栽培する個々の農家は重要でないため省略しています。

This picture was painted by my grandfather.(この絵は祖父によって描かれました。)祖父が作者だという情報が重要なので残します。

The song was written by a student in our class.(その歌は私たちのクラスの生徒によって作られました。)作者が意外で重要な新情報になっています。

よくある間違い

不明な動作主をby someoneで必ず示す

My umbrella was stolen by someone yesterday. は文法的には可能ですが、盗んだ人が不明で重要でない普通の報告では不自然に冗長です。My umbrella was stolen yesterday.(私の傘は昨日盗まれました。)のほうが自然です。

重要な作者まで省いてしまう

「この絵は祖父が描いた」と作者を伝えたいのに This picture was painted. だけでは、重要な情報が抜けます。This picture was painted by my grandfather. とし、焦点となる作者を残します。

byの後ろで主格を使う

The letter was written by he. は誤りです。The letter was written by him.(その手紙は彼によって書かれました。)とします。前置詞 by の後ろには目的格の代名詞を置きます。

手段にもbyを使う

The door was opened by a key. は、鍵そのものを動作主のように述べるため、通常の「鍵を使って開けた」という意図には不自然です。手段なら The door was opened with a key. とします。人を示すなら by Ken、道具なら with a key と関係を分けます。

確認問題

動作主の情報が不明・不要・明らかか、それとも重要な新情報かを判断してください。

  1. My bicycle was stolen by someone last night. を、自然な報告になるように直してください。
  2. 「この物語は私の姉によって書かれました」を、作者を残して英語にしてください。
  3. The window was opened by she. の代名詞を直してください。

解答

省略すると要点が失われるかを基準にします。

  1. My bicycle was stolen last night. です。盗んだ人が不明なら by someone は通常新しい情報にならないため省きます。
  2. This story was written by my sister. です。姉が作者だという情報が文の要点なので by 以下を残します。
  3. The window was opened by her. です。前置詞 by の後ろには目的格 her を使います。

まとめ

受け身は、動作を受ける人や物、起きた結果へ焦点を当てる形です。動作主が不明、重要でない、文脈から明らかな場合は、by + 動作主 を省略するのが自然です。発明者、作者、意外な行為者など、動作主が重要な新情報なら残します。by someone を機械的に加えず、省くと要点が失われるかを考えます。また、動作主の by と、道具を表す with も区別しましょう。

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