英語には、booksにもplaysにも最後にsがあります。どちらも同じ文字ですが、同じ意味を加えているわけではありません。「sがあったら複数」とだけ覚えると、動詞のplaysを読んだときに困ります。
booksのsは、本が複数であることを表します。一方、He plays tennis.のplaysは、一般動詞の現在形の肯定文で、主語Heに合わせた形です。「たくさんプレーする」という意味のsではありません。
見分ける順番は、まずその語が名詞か動詞かを確かめ、次にどの形になっているかを見ることです。同じ一文に二種類のsがある例を使って、役割を分けてみましょう。
名詞のsは、一つと複数を区別する
名詞は、人や物などの名前を表す語です。book「本」、dog「犬」、student「生徒」などが名詞です。これらの数えられる名詞で、一つ・一人を表す形を単数形、二つ以上・二人以上を表す形を複数形と呼びます。
- a book ― 一冊の本
- two books ― 二冊の本
- a dog ― 一匹の犬
- three dogs ― 三匹の犬
bookからbooks、dogからdogsへ変わるsは、複数形を作るためのものです。数字のtwoやthreeがあると、二つ以上だと確かめやすいですね。
I have two books. ― 私は本を二冊持っています。 では、booksが「何を持っているか」を表す名詞です。sは二冊という複数に対応しています。Iが一人かどうかでbooksのsを決めているのではありません。
数字が書かれていなくても、I like dogs. ― 私は犬が好きです。 のdogsは複数形です。この文では犬という種類全般への好みを表しています。「sがあるなら必ず日本語で『たくさんの』と訳す」という意味でもありません。
今回はbooks・dogs・studentsのような基本の形で比べます。すべての名詞がsだけで複数形になるわけではないため、初めての語は教科書や辞書で単数形と複数形を確認しましょう。
動詞のsは、この形では主語に合わせる
動詞は、行動や状態などを表す中心の語です。play「する・演奏する」、read「読む」、like「好きだ」などがあります。
一般動詞の現在形の肯定文で、canなどの助動詞がなく、主語がI・you以外の一人・一つなら、動詞は三人称単数の形になります。よく「三単現のs」と呼ばれる形です。
- I play tennis. ― 私はテニスをします。
- He plays tennis. ― 彼はテニスをします。
- My friends play tennis. ― 私の友達はテニスをします。
真ん中のplaysは、主語Heが三人称単数であることに対応しています。最後の文は友達が複数ですが、動詞はplayです。主語が複数だから動詞にも複数のsを付ける、という決まりではありません。
He plays tennis.だけでは、何回テニスをするのかまではわかりません。playsのsから「何度もする」「たくさんする」と読み取ることはできません。回数を伝えたければ別の語句が必要です。
be動詞のam・is・areの選び方や、Does he play tennis?のような疑問文は、形が異なります。今回はplayとplaysを比べる基本的な肯定文で、名詞の複数形との違いを確かめましょう。
一つの文にある二種類のsへ印を付ける
次の一文では、readsとbooksの両方にsがあります。
My sister reads books. ― 私の姉は本を読みます。
まず「誰が読むか」を探します。主語はMy sister「私の姉」です。次に「何をするか」を見れば、reads「読む」が動詞だとわかります。最後のbooksは「何を読むか」を表す名詞です。
| 語 | この文での種類 | sが表すこと |
|---|---|---|
| reads | 動詞 | 主語My sisterに合う、三人称単数の現在形 |
| books | 名詞 | 本の複数形 |
ここで主語だけを複数に変えてみます。My sisters read books. ― 私の姉たちは本を読みます。 です。今度はsistersが複数の人を表す名詞、readが動詞、booksが複数の本を表す名詞です。
主語が複数になったため、今回の現在形の肯定文ではreadになります。しかし、読む対象のbooksをbookへ戻す必要はありません。主語の人数と、本の冊数は別の情報です。
次は、主語は一人のまま、本を一冊にしてみましょう。My sister reads a book every week. ― 私の姉は毎週、本を一冊読みます。 です。every weekは「毎週」。主語に合う動詞はreadsのままで、一冊なので名詞はa bookになります。
このように、一か所を変えて並べると、どのsがどの情報に関係するかがわかります。英文の最後の文字だけを見るのでなく、「誰が」「何をする」「何を」のまとまりを確認するのです。
間違いを直すときは、二つを別々に点検する
誤り:My friends likes books.
正しい:My friends like books. ― 私の友達は本が好きです。
friendsは複数の友達という名詞なので、ここではsを残します。主語My friendsが複数だから、一般動詞はlikeに直します。booksも複数の本を表す名詞なので、そのままです。「sが多すぎる気がする」と全体から適当に消すのではなく、語の種類ごとに判断します。
誤り:Ken have two dog.
正しい:Ken has two dogs. ― ケンは犬を二匹飼っています。
この文では二つの点検が必要です。主語Kenは一人なので、一般動詞haveをhasにします。犬はtwoで二匹と指定されているので、名詞dogをdogsにします。hasはhaveの三人称単数の形で、haveにそのままsを足した形ではありません。
書き直すときは、次の手順を使えます。
- 主語のまとまりを囲み、一人・一つか複数かを確かめる。
- 動詞を探し、今回の現在形の肯定文で主語に合う形を選ぶ。
- 数えられる名詞を探し、伝えたい人数・個数に合う形を選ぶ。
- 日本語の意味と照らし、主語や物の数を勝手に変えていないか確認する。
sの前にeがあるwatchesやboxesでも、まず語の種類を確認する考え方は同じです。He watches TV. ― 彼はテレビを見ます。 のwatchesは動詞、I have two boxes. ― 私は箱を二つ持っています。 のboxesは名詞です。つづりだけが似ていても役割は違います。
一方、sで終わる単語を見つけたら、必ず「後からsを付けた」と考えなければならないわけではありません。今回の練習はbook―books、play―playsのように基本の形と比較できる例を使っています。迷う語は、辞書で元の形と品詞を確かめましょう。
確認問題
- She reads books.「彼女は本を読みます」のreadsとbooksについて、動詞のsと名詞の複数形のsをそれぞれ答えましょう。
- 「私の友達はテニスをします」になるように選びましょう。My friends (play / plays) tennis.
- 「ケンは犬を二匹飼っています」になるように、二か所とも選びましょう。Ken (have / has) two (dog / dogs).
解答・解説を開く
- readsが動詞のs、booksが名詞の複数形のsです。readsは主語Sheに合う現在形、booksは読む対象の本が複数であることを表します。
- play。My friendsは複数の主語です。今回の一般動詞の現在形の肯定文では、playにします。
- has、dogs。Kenは三人称単数なのでhaveはhas。twoは二匹を表すので、名詞はdogsです。
今日の一歩は、My sister likes dogs.「私の姉は犬が好きです」のlikesとdogsに、違う色で印を付けることです。それぞれのsが何に対応しているか、一言ずつ説明してみましょう。
