単語を五回、十回と書いたのに、ノートを閉じると出てこない。そんなときは、書く回数を増やす前に「見本を見ないで思い出す時間」があったかを振り返ってみましょう。写せたことと、自分で思い出せたことは、同じ確認ではありません。
ここでは、その日の単語練習を「確かめる→隠す→思い出す→答え合わせする」の流れに変えてみます。英語を見て意味を答える練習と、日本語などを手掛かりに英語を書く練習の両方を扱います。決まった回数で必ず覚えられる、という方法ではありません。
回数の目標に、確認の目標を加える
何回か書くこと自体が無駄なわけではありません。文字の形や並びを確かめたいときに、見本を見ながら書くことはできます。ただし、目の前の見本をずっと追っていると、見本なしで書けるかはまだわかりません。
たとえばlibraryを十回写したとしても、それだけでは「libraryを見て『図書館』と思い出せるか」「『図書館』からlibraryと書けるか」の二つを確認できていません。書いた後に見本を隠すと、今できることが具体的にわかります。
| 練習・確認 | やってみること | 確かめられること |
|---|---|---|
| 見本を見て書く | libraryを見て写す | 文字を見ながら同じ順に書けるか |
| 英語から意味を答える | libraryを見て意味を言う | 英語と意味が結び付いているか |
| 手掛かりから書く | 「図書館」からlibraryと書く | 見本なしでつづりを出せるか |
学校で書く回数の指定がある場合は、その課題に取り組んだうえで、最後に一語だけでも見本を隠してみましょう。「たくさん埋めたから終了」から、「どこまで思い出せたか確かめて終了」に目標を少し加えます。
意味だけ答えられて、つづりが出ない語もあります。反対に、つづりの形は覚えていても意味を説明できない語もあります。一つの丸にまとめず、二つの方向を分けると、その後に何を確かめ直すか選べます。
今日は三語から、見本を隠す練習をする
最初から単語帳一ページ全部を使わず、授業で習った三語ほどを選びます。量は自分で調整できます。ここではbook「本」、music「音楽」、library「図書館」を練習用に使いましょう。
- 教科書や単語表で、つづり、読み方、今回の意味を確かめる。
- 必要なら見本を見て一度書き、文字の並びを見る。
- 日本語を隠し、英語だけを見て意味を答える。
- 英語を隠し、日本語を手掛かりに英語を書く。
- 見本を開き、意味とつづりを別々に答え合わせする。
発音がわからない語は、教科書に対応した音声などで確認しましょう。自分で推測した読み方を何度も繰り返す前に、見本の音を聞けると、どの語を練習しているのか確かめられます。
手順3ではlibraryを見て「図書館」と言えれば、この文脈での意味を取り出せています。手順4では「図書館」を見てlibraryと書けるかを試します。直前に見た順番だけを手掛かりにしないよう、カードを入れ替えてもよいでしょう。
書けないときに長くにらみ続ける必要はありません。途中までしか出てこなければ、そのまま答えを確かめます。空欄になっても、「自分は英語ができない」という結論にはせず、今日はこの語に見本が必要だった、と記録します。
また、日本語一つに対して英語が一つに決まらないこともあります。「本」なら今回はbookを練習する、と対象を明らかにします。学校で扱う語や例文を手掛かりにすれば、「別の正しい言い方を答えたのに不正解」という混乱を減らせます。
意味とつづりを、小さな記録で分ける
記録は大きな表をきれいに作る必要はありません。三語なら、次のような簡単な表で十分です。これは練習結果の例で、あなたの結果を予想したものではありません。
| 単語 | 英語から意味 | 手掛かりからつづり | 今やること |
|---|---|---|---|
| book | 思い出せた | 書けた | いったん次へ進む |
| music | 思い出せた | 見本が必要 | つづりを確認して再挑戦 |
| library | 見本が必要 | 見本が必要 | 意味とつづりを確認 |
musicの意味は言えたのにつづりが出なかった場合、意味の確認を最初から何度も繰り返すより、musicの文字の並びを見てから隠して書いてみます。libraryの意味が出なければ、図書館の場面や、次の短い文で結び付きを確かめられます。
This is a library.
ここは図書館です。
この文のlibraryが、建物としての「図書館」を指しているとわかるかを確認します。辞書に意味がたくさんあっても、その日の練習で全部覚えようとせず、授業で出てきた使い方から始めましょう。
答え合わせでつづりが違っていたら、正しい語を見て、違った場所を一か所確かめます。その後、別の語を練習してから、もう一度見本を隠して書きます。何度も同じ場所を間違える場合の詳しい比べ方は、読めるのにスペルが書けない!間違えた部分を確かめる練習でも練習できます。
記録に「できた」と書いた語も、ずっと覚えていると保証されたわけではありません。ここでわかるのは、その日のその確認で思い出せたかどうかです。後日に確かめる日は、昨日覚えた英単語を忘れた!次の復習日を決める方法で決められます。
終わり方を決めると、確認まで進めやすい
単語を書き始める前に、「今日は三語を、意味とつづりの両方で一度確認する」と終わり方を決めてみましょう。回数が少なければ必ずよい、という話ではありません。確認まで含めて、使える時間に収まる量を選びます。
たとえば三語のうち一語に見本が必要だったら、その語を確かめてもう一度試し、結果を記録して終えます。全部を完璧にするまで際限なく続ける必要はありません。「次はmusicのつづりから確認する」と一行残せば、次の練習を始める場所がわかります。
一回正解した直後に何度も同じ順番で答えると、直前に見た文字を覚えているだけかもしれません。順番を変えたり、別の語を間に入れたりすると、その場での確認の仕方を変えられます。それでも長く覚えたかどうかは、後日の確認が必要です。
声を出せない場所では、意味を心の中で答えたり、短く書いたりしてかまいません。書く負担が大きい日は、確認する語を一語に減らせます。ただし、つづりを確かめたいなら、最後には実際に書くなど、文字の順番がわかる形で確認しましょう。
「今日は何回書いたか」だけでなく、「何を見ずにできたか」「何を見直すか」を言えれば、練習の終わりが具体的になります。ノートの行数と覚えた語の数を、同じものとして数えないのが大切です。
確認問題
- bookを見ながら十回写しました。この時点で、「見本なしでbookと書ける」と確かめられていますか。理由も短く考えましょう。
- musicを見て「音楽」と答えられましたが、「音楽」という手掛かりからmusicとは書けませんでした。次に行う練習を一つ考えましょう。
- 今日習った語から、見本を隠して確認したいものを一〜三語選び、意味とつづりの確認方法を書きましょう。
解答・解説を開く
- まだ確かめられていません。 見本を見て写すことと、見本を隠して思い出すことは別の確認です。英語を隠し、「本」という手掛かりからbookと書けるか試します。
- 解答例:musicのつづりを確かめて隠し、別の語を練習した後にもう一度書く。 意味は答えられたので、今回はつづりを出す練習に重点を置けます。
- 解答例:libraryを選ぶ。日本語を隠して意味を言い、次に英語を隠して「図書館」からlibraryと書く。 選ぶ語は自由です。見本をどちら側で隠すかまで決めると、すぐ試せます。
今日は書く回数だけを数えず、最後に一語、見本を隠してみましょう。意味とつづりの両方を確かめた結果が、次に取り組む一歩を決める手掛かりになります。
