英単語の意味を順に書いたら、「ミナは、読みます、本を、図書館で」となってしまった。内容は少しわかっているのに、日本語の文として読むとぎこちない。そんなときは、英語の順番を保つ作業と、日本語を完成させる作業を分けてみましょう。
和訳は、単語の意味を並べるだけでは完成しません。①英文の内容を確かめる、②日本語として整える、③元の英文と比べる、の三つを使います。自然な日本語にしながら、書かれていない情報を足さないことも大切です。
ステップ1:日本語を整える前に、内容を取り出す
次の英文を訳してみましょう。
Mina reads books in the library after school.
まず、だれが何をするか、そのほかにどんな情報があるかを分けます。readsは「読む」、booksは「本」、in the libraryは「図書館で」、after schoolは「放課後」です。
| 確かめること | 英語 | 内容のメモ |
|---|---|---|
| だれが | Mina | ミナ |
| 何をする | reads books | 本を読む |
| どこで | in the library | 図書館で |
| いつ | after school | 放課後 |
ここではまだ、「ミナ/本を読む/図書館で/放課後」というメモで構いません。この段階で美しい日本語を作ろうとして、動詞や場所を読み飛ばさないようにします。
主語と動詞だけを取り出したら、文にある時間、場所、数、否定なども確認します。この例にはafter schoolがあるので、放課後という情報が必要です。一方、「友達と」という言葉はありません。図書館で本を読む場面から想像できても、英文の情報には加えません。
単語の意味が文に合わない場合は、日本語を並べ替える前に確認します。意味の選び方が違うまま語順だけ整えても、内容は直らないからです。まず何が書いてあるかを確かめることが、次の作業の土台になります。
ステップ2:日本語の助詞と語順を整える
内容を取れたら、日本語として一文にします。先ほどのメモから、次のようにまとめられます。
ミナは放課後、図書館で本を読みます。
「ミナは」「図書館で」「本を」のように、は、で、をなどを使い、役割をつなぎます。英語の単語を一つずつ訳した順番を、最後まで守る必要はありません。日本語では「読みます」を後ろに置くと自然な文になります。
「ミナは図書館で、放課後に本を読みます」のような順番も、同じ内容を表せます。和訳は一語一句、一つの正解だけに決まるとは限りません。ただし、何を強調するかや前後の文によって、読みやすい順番は変わります。
次は、ケンが飼っている犬についての文です。
Ken has a small dog.
内容は、Ken「ケン」、has「飼っている・持っている」、a small dog「小さな犬」です。この場面では、次のように訳せます。
ケンは小さな犬を飼っています。
英語のhasは現在形ですが、飼っている状態を日本語で自然に表すため、「飼っています」とできます。英語が現在形なら、日本語を必ず「〜します」で終えるわけではありません。英文が表す行動や状態に合う日本語を選びます。
また、a small dogのaを、毎回機械的に「一つの」と訳す必要はありません。この文の訳では「小さな犬」として自然に表せます。数を伝えるtwo dogsなら「2匹の犬」と訳し、具体的な数を落とさないようにします。
ステップ3:抜けた情報と、足した情報を点検する
日本語が自然になったら、そこで終えず元の英文へ戻ります。読みやすく直す途中で、大切な情報を落とすこともあるからです。
Mina reads two books after school.
Minaはミナ、readsは読む、two booksは2冊の本、after schoolは放課後です。だれが何をするかだけでなく、数と時間の情報も確かめます。
訳の例:ミナは放課後、本を2冊読みます。
この場面で「ミナは本を読みます」だけにすると、2冊と放課後の情報が抜けます。「ミナは毎日放課後、図書館で本を2冊読みます」とすると、ここでは示されていない「毎日」や「図書館で」を付け足しています。文の前後で情報が示されていない限り、想像だけでは足しません。
次の文では、否定を落とさないことが大切です。
I do not play tennis on Sunday.
私は日曜日にはテニスをしません。
do notがあるので、「テニスをします」では意味が反対になります。また、この一文だけでは「ほかの曜日には必ずテニスをする」とまではわかりません。訳の中へ勝手に加えないようにしましょう。
点検するときは、①だれ、②動作や状態、③否定、④数、⑤場所や時間、の順に比べられます。全部の単語へ一対一で日本語を割り当てるのではなく、それぞれの情報が日本語で保たれているかを見ます。
booksを日本語で「本」と訳しても、複数形だから必ず「本たち」とする必要はありません。日本語で自然に表せることと、具体的な数を落とすことは区別します。twoのように数が明示されている場合は、その数も伝えましょう。
一つの訳を直し、直した理由を確かめる
練習では、長文全部を訳す前に一文を選びます。最初の日本語がぎこちなくても、内容のメモから書き始めてかまいません。その後に、語順と助詞を整えます。
たとえば次の文を考えます。
My friends play soccer in the park.
途中のメモは「私の友達/サッカーをする/公園で」です。そこから「私の友達は公園でサッカーをします」とできます。「友達たちは」と書いて、複数であることを表す訳もできます。
ただし、「私の親友たちは毎日公園で楽しくサッカーをします」とすると、親しいこと、毎日のこと、楽しいことを足しています。自然な文章にしようとして飾りを増やすより、元の情報に合わせて整えましょう。
見直した箇所は、「公園でを前に置いた」「主語にはを付けた」「元の文にない毎日を消した」のように短く説明できます。正解の日本語を丸暗記するだけでなく、どの作業で読みやすくなり、どの情報を保ったかを確かめます。
学校の設問に、訳し方や答え方の条件がある場合は、その条件も確認してください。たとえば下線部だけを訳す問題なら、文全体を答えるのではなく、どの部分が求められているかを見ます。この記事では、一文全体の内容を過不足なく日本語にする練習をしています。
最後に日本語だけを読んで、誰が何をするかが伝わるかを確認します。その後、英文をもう一度見て、意味が変わっていないかを確かめます。日本語の読みやすさと、英文との一致を別々に点検すると、一方だけで満足せずに仕上げられます。
確認問題
- 次の文を自然な日本語にしましょう。Mina reads books in the library after school.
- Ken has a small dog. を「ケンは大きな犬を飼っています」と訳しました。英文に合わせて、どこを直しますか。
- I do not play tennis on Sunday. を「私は日曜日にテニスをします」と訳しました。足りない意味を補い、正しく訳しましょう。
解答・解説を開く
- 訳の例:ミナは放課後、図書館で本を読みます。 主語、行動、場所、時間を保った自然な訳なら、語順が多少違ってもかまいません。元の文にない「友達と」などは加えません。
- 「大きな」を「小さな」に直します。 smallは「小さな」です。訳の例は「ケンは小さな犬を飼っています」。日本語が自然でも、単語の意味が違っていれば修正が必要です。
- 訳の例:私は日曜日にはテニスをしません。 do notの否定が抜けていました。日曜日という情報を保ち、「しません」に直します。ほかの曜日にするかどうかは、この一文からは決まりません。
今日の一歩は、短い英文で「内容のメモ→日本語を整える→元の文と照合する」を試すことです。自然さと正確さを別々に確かめて、一文を完成させてみましょう。
