英語の音読で順番が近づくと、文の意味より「間違えたらどうしよう」が気になる。家では読めるのに、教室では声が小さくなる。そんなとき、いきなり大きな声で全文を読むことだけを目標にしなくてもかまいません。
この記事では、場所、声の大きさ、読む長さをそれぞれ選び、一文を声にする練習を考えます。性格を変えたり、恥ずかしさを消したりすることが目的ではありません。「この条件なら少し試せそう」を探すためのメニューです。
声が出しにくい日や、人に聞かれることが強くつらい日もあります。自分を責める材料にせず、できる範囲を選びましょう。授業で困っている場合は、練習の長さや順番について先生に相談することもできます。
何を小さくすると試せるか、三つに分ける
「英語を人前で読む」という活動には、いくつかの条件が重なっています。大勢の前なのか、一人の相手なのか。全文なのか、一文なのか。すべて同時に変えようとせず、三つに分けてみます。
| 選ぶもの | 試せる条件の例 |
|---|---|
| 聞く人 | 一人で練習、話しやすい人一人、授業のペア |
| 声の大きさ | 自分に聞こえる声、隣の人に届く声 |
| 読む長さ | 一語、短いまとまり、一文、二文 |
たとえば「一人で、普段の声で、一文」はできても、「ペアで、一語」は緊張するかもしれません。表の左から右へ必ず進まなければならないわけではありません。人、長さ、声のどこを変えると取り組みやすいか、自分で選びます。
今日は声を出さずに英文の意味を確かめ、次の日に一語読む、という準備もできます。ただし、声を出して読む練習をしたかどうかは分けて記録します。「意味を確認した」「一語読んだ」と、行ったことをそのまま書けば十分です。
「昨日より難しい段階へ進む」ことも、毎回の条件ではありません。疲れていれば短い文に戻れます。同じ文を同じ条件で読む日が続いても、それを失敗と決める必要はありません。
意味を知っている一文で、小さく始める
今回使う文は、I like music.(私は音楽が好きです)です。まず、Iが「私」、likeが「好き」、musicが「音楽」だと確かめます。自分が何を言っているかわかる文を選ぶことで、読むときに考えることを一つ減らせます。
次に、一人で試せる場所なら、musicだけを声にしてみます。読み方があいまいなら、教科書や辞書の音声を聞いてからでかまいません。カタカナだけで読み方を決めず、実際の音を参考にします。
一語が試せたら、I like music.と一文に戻します。途中で止まっても、最初から何度もやり直さなくて大丈夫です。止まったのがmusicなら、その語を確かめてから、文をもう一度読みます。
- 英文を見て、日本語で意味を言う。
- 読み方が不安な一語を、音声で確かめる。
- 自分に聞こえるくらいの声で、一語か短いまとまりを読む。
- できそうなら、一文を続けて読む。
- 「どこまで、どんな条件で読んだか」を短く残す。
自分に聞こえる声とは、無理に息を詰めたささやき声にする、という意味ではありません。のどに負担を感じる出し方を続けず、出しやすい声を選んでください。大きさを競う練習ではないので、音量より、選んだ一文を試せたかを見ます。
音声の話し手とまったく同じにしようとすると、確かめる箇所が増えます。今日はmusicの読み方だけ、今日は一文の終わりまで、というように一つ選びましょう。
相手がいる練習では、聞き方も決めておく
一人の練習から、誰かに聞いてもらう練習へ進みたいときは、話しやすい人を選びます。「一文だけ聞いて」「止まっても待って」と、先に頼んでおける相手がよいでしょう。録音を聞くことが苦手なら、録音を必須にする必要もありません。
たとえば次の二文を使えます。
I like music.(私は音楽が好きです。)
I play tennis.(私はテニスをします。)
一文目だけ読む、相手が一文読んだあとに自分も読む、交代で一文ずつ読む、という方法があります。聞く人には「何が好きだと言ったか」など、内容を一つ受け取ってもらいます。細かい発音をすべて採点してもらう時間にしなくてもかまいません。
「音楽が好きなんだね」と内容が伝わったら、まずその事実を確認できます。聞き返されたときは、失敗の印とせず、同じ一文をもう一度読む機会にします。聞く側も、周囲の音や距離によって一度で受け取れないことがあります。
授業のペアでは、自分だけでルールを決められないこともあります。その場合は、先生に「一文ずつ交代なら取り組めそうです」「先に読む文を確認したいです」と具体的に相談してみてください。希望がそのまま通るとは限りませんが、何が困るかと、試せそうな形を一緒に伝えられます。
相手が笑ったり急かしたりする場面では、無理に練習を続ける必要はありません。誰と練習するかも大事な条件です。困ったやり取りは、信頼できる先生などに知らせてください。
記録は「勇気」より、試した条件を残す
練習のあとに「今日は勇気がなかった」と書くと、次に何を調整すればよいかがわかりにくくなります。代わりに、「一人でI like music.を紙を見ながら読んだ」のように、実際の行動を残してみましょう。
| 今日の記録 | 次に選べる一歩 |
|---|---|
| 一人でmusicを読んだ | 同じ条件でI like music.を試す |
| 一人で一文読んだがtennisで止まった | tennisの音を確かめ、同じ文を読む |
| 一人に一文を読んだ | 同じ一文をもう一度、または二文にする |
| 今日は声を出さず意味だけ確認した | 別の日に一語から始める |
次の一歩は、必ず難しくする必要はありません。「同じ条件でもう一度」という選び方もあります。
練習時間も、自分で終わりを決めます。「一文を二回試したら終わり」など、始める前に区切ると、いつまでも完璧な読み直しを続けずに済みます。ただし、二回読めば必ず慣れるという意味ではありません。区切りは、取り組みやすくするための約束です。
授業での音読がずっとつらい場合、練習だけで解決しようと抱え込まないでください。「読む順番が近づくと文が見えなくなるくらい焦る」など、具体的な場面を伝えると相談しやすくなります。ここでは、自分を診断したり、できるまで我慢したりすることを求めていません。
確認問題
- 「一人なら一文を読めるが、人に聞かれると止まる」というとき、次に試す条件を一つ考えてください。今と同じ条件を選んでもかまいません。
- I like music.でmusicの読み方が不安です。一文を読む前にできる準備を一つ書いてください。
- 「今日はだめだった」を、次の練習に使える記録へ書き換えてください。状況は「一人でI play tennis.を読み、tennisで止まった」です。
解答・解説を開く
- 解答例:一人で同じ一文を読む。あるいは、話しやすい人一人に、一語だけ聞いてもらう。誰に聞かせるか、長さ、声を自分で選べればよく、唯一の正解はありません。
- 解答例:musicの意味を確認し、教科書や辞書の音声を聞いて、その一語を声にしてみる。
- 解答例:「一人でI play tennis.を読み、tennisで止まった。次はtennisの音を確かめてから同じ文を読む」。自分への評価ではなく、行動と次の一歩を残しています。
今日は、一語でも一文でも、試す条件を自分で一つ決めてみてください。恥ずかしさが残っていても、自分に合う練習の形を探すことはできます。
