英文で主語を省略できない理由

日本語では、会話の流れから「私は」や「彼が」が分かるとき、主語を言わなくても自然です。しかし、その感覚のまま英語を作ると、Am tired today. のように文の中心となる人や物が見えない形になってしまいます。英語の平叙文では、原則として主語と動詞をそろえる必要があります。この記事では、主語が何を伝え、なぜ動詞の形にも関係するのかを学び、主語が表面に出ない命令文との違いまで整理します。

目次

基本ルール

英語の文は、基本的に「主語+動詞」から組み立てます。主語は「誰が」「何が」に当たる部分で、動詞は主語の動作や状態を表します。She studies math. では She が主語、studies が動詞です。The dog is under the table. では The dog が主語、is が動詞です。主語がなければ、誰が勉強するのか、何がテーブルの下にいるのかを英文の形から判断できません。

主語は意味を示すだけでなく、動詞の形を選ぶ手がかりにもなります。be動詞は I am、he is、they are のように主語で変わります。一般動詞の現在形でも、I play に対して Ken plays のように、主語が三人称単数なら動詞に s が付きます。したがって、先に主語を決めずに動詞だけ置くと、正しい動詞の形も選べません。

日本語では「今日は疲れた」と言えば、状況によって話し手のことだと分かります。英語では同じ内容を基本の平叙文にするなら I am tired today. とし、主語の I を明示します。英語にも主語が表面に出ない文はありますが、何でも自由に省略できるわけではありません。まずは普通の肯定文や否定文では主語を置く、と覚えるのが安全です。

作り方・使い方

英文を作る前に、日本語の内容へ「誰が」または「何が」と問いかけます。「毎晩数学を勉強します」だけでは日本語では主語が隠れていますが、実際に勉強する人が自分なら I、ある女性なら She、複数の友達なら They と決めます。その後に、主語に合う動詞を置きます。I study math every evening.、She studies math every evening. のように、同じ内容でも主語によって動詞の形が変わります。

物や動物も主語になります。「机の上にあります」という日本語を英語にするとき、何があるのかをはっきりさせて My notebook is on the desk. とします。「雨が降っています」のような天候表現では特定の物を指さない形式的な主語 it を使い、It is raining. と言います。日本語に対応する主語がそのまま見つからなくても、英語の文型に必要な主語を考えることが大切です。

主語が表面に出ない代表的な例は命令文です。Open the window. は「窓を開けてください」という意味で、動詞の原形 Open から始まります。この文では、行動する相手である you が意味上の主語として理解されています。普通の事実を述べる You open the window every morning. とは目的が違います。依頼や指示ではなく、状態や習慣を説明する文なら、主語を省かないようにします。

例文

She studies math every evening. は「彼女は毎晩数学を勉強します」です。She によって勉強する人が分かり、三人称単数の主語なので study は studies になります。主語が They なら They study math every evening. となり、動詞に s は付きません。

The dog is under the table. は「その犬はテーブルの下にいます」です。主語は一語だけとは限らず、冠詞と名詞を含む The dog 全体が主語です。単数の主語なのでbe動詞は is です。Under the table. だけでは場所を示す語句にすぎず、完全な平叙文にはなりません。

My friends play basketball after school. は「私の友達は放課後にバスケットボールをします」です。My friends が複数の主語で、動詞は原形の play です。「誰が」を表す部分があるため、放課後に行動する人が明確です。

Please close the door. は「ドアを閉めてください」という命令文です。丁寧さを加える Please が先頭にありますが、主語を持つ普通の平叙文ではありません。意味上は聞き手に行動を求めています。主語が見えないから誤文なのではなく、文の目的と形が命令文になっているため成立します。

よくある間違い

Am tired today. は、普通の平叙文としては主語がないため誤りです。正しくは I am tired today. です。am は主語の代わりではなく、主語 I の状態を説明するbe動詞です。日本語の「今日は疲れています」から隠れた話し手を補って考えます。

Is in the library. も、誰または何が図書館にいるのかが欠けています。ケンのことなら Ken is in the library.、本のことなら The book is in the library. のようにします。疑問文の Is Ken in the library? は Is から始まりますが、後ろに主語 Ken があります。語順が違う疑問文と、主語が欠けた平叙文を混同しないようにしましょう。

She study English. では主語はありますが、動詞が主語に合っていません。現在の習慣なら She studies English. です。主語を置くだけで終わらず、その主語が I、you、単数、複数のどれかを見て、be動詞や一般動詞の形を選びます。主語と動詞は一組として確認する必要があります。

確認問題

次の日本語に合う完全な英文になるように、必要な主語と正しい形の動詞を使って書き直してください。命令文か平叙文かも考えます。

  1. 「私は今おなかがすいています」 Am hungry now.
  2. 「その猫はソファーの上にいます」 Is on the sofa.
  3. 「静かにしてください」 You be quiet. を自然な命令文にする。

解答

一問目と二問目は状態を述べる平叙文なので主語が必要です。三問目は相手への指示なので、命令文の形を使います。

  1. I am hungry now. 話し手を表す主語 I を置き、I に合う am を続けます。
  2. The cat is on the sofa. 「何が」に当たる The cat を主語にし、単数なので is を使います。
  3. Be quiet. 命令文は動詞の原形から始め、意味上の主語 you は通常表面に出しません。Please be quiet. とすれば丁寧になります。

まとめ

英語の普通の文では、原則として「誰が・何が」を示す主語と、その主語に合う動詞が必要です。主語は情報の中心を示し、am、is、are や一般動詞の形を決める手がかりにもなります。日本語で主語が隠れていたら、英文にする前に行動や状態の持ち主を補いましょう。命令文では意味上の you が表面に出ないという例外がありますが、事実、状態、習慣を述べる平叙文とは目的が違います。まず主語を決め、次に動詞を合わせる順序を習慣にすれば、主語の抜けた英文を防げます。

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