目の前のペンを指して「これは私のペンです」と言うとき、This is my pen.と表せます。その後「それは新しいです」と同じペンの話を続けるなら、It is new.が使えます。
this・that・itは、どれも物を表すことがありますが、使う場面の中心が違います。thisとthatは「これ・あれ」と対象を示すとき、itは会話の中で何を指すかわかる一つの物などを受けるときに使います。
この記事では、一つの物を紹介し、その物について話を続ける短い会話を練習します。まず、手元の物と離れた物を指さす場面を比べてみましょう。
thisは近くの「これ」、thatは離れた「あれ」
手元の本を見せながら、This is my book. ― これは私の本です。 と言えます。thisは、この場面では自分の近くにある一つの物を指しています。
一方、少し離れた机の上の本を指して、That is my book. ― あれは私の本です。 と言えます。thatは、この場面では自分から離れた一つの物を指しています。
| 場面 | 英文 | 意味 |
|---|---|---|
| 手に持ったペンを見せる | This is my pen. | これは私のペンです。 |
| 離れた棚のかばんを指す | That is my bag. | あれは私のかばんです。 |
「何センチ以内ならthis」という固定した線があるわけではありません。話し手が近くにあるものとして示すか、離れたものとして示すかを、場面に合わせて考えます。まずは手元と離れた棚のように、違いがはっきりした例で練習しましょう。
thatの日本語訳は「あれ」だけでなく、相手の側にある物を「それ」と訳す場合もあります。日本語訳を一対一で固定するより、誰がどこにある物を示しているかを見ることが大切です。
thisとthatには、物理的な距離以外に関係する使い方もあります。ただし、今は身近な物を指す基本の場面に絞り、使い始められる形を作ってみましょう。
itは、同じ物について話を続けるときに使える
新しいペンを見せながら、次のように話す場面を考えます。
This is my pen. It is new.
これは私のペンです。それは新しいです。
最初のThis is my pen.で、相手はどのペンについて話しているかわかります。その後のItは、そのペンを受けています。日本語なら「これは私のペンです。新しいんです」と、二文目の「それは」を省くと自然なこともあります。
itを選ぶ理由は、ペンが途中で遠くへ移ったからではありません。同じペンだと相手にもわかる状態で、その説明を続けているからです。近くに置いたままでもIt is new.と言えます。
離れた物をthatで紹介した後も同じです。
That is my bag. It is blue.
あれは私のかばんです。そのかばんは青いです。
二文目のItは、前の文で指したかばんを表します。「近い物ならthis、遠い物ならthat、それより遠い物ならit」という距離の並びではありません。
ただし、itが使えるのは、必ず一つ前の文に名詞があるときだけではありません。二人が同じ物を見ているなど、状況から何を指すかわかる場合にも使えます。この記事ではつながりを見つけやすいように、まず名詞を紹介し、次の文でitで受ける形を使います。
質問のthis・thatを、そのまま返す必要はない
相手が手に持った物を示して、What is this? ― これは何ですか。 と聞く場面です。その物がペンなら、It is a pen. ― それはペンです。 と答えられます。
質問ですでに対象が示されているので、返事のItが何を指すかは相手にもわかります。thisという単語を質問で聞いたから、返事でも必ずthisを繰り返すわけではありません。
離れた物についても同様です。
ケン:What is that? ― あれは何ですか。
ユイ:It is a guitar. ― あれはギターです。
guitarは「ギター」です。日本語訳では「あれは」としても、英語の返事はIt is…で自然に受けられます。itを毎回必ず「それ」と訳す必要はありません。
Is this your book? ― これはあなたの本ですか。 と聞かれたとき、短い返事はYes, it is. ― はい、そうです。/No, it isn't. ― いいえ、違います。 とできます。返事のitは、今質問された本を受けています。
it isを短くしてit'sとする形もあります。It's a pen. ― それはペンです。 は使えますが、肯定の短い返事ではYes, it is.とし、Yes, it's.では終えません。まずは短くしないIt is…の形で、何を指すかを追ってみましょう。
指す物と、説明する内容を分けて書く
自分の物を一つ紹介するなら、次の順番で二文を作れます。
- 紹介したい一つの物を決め、相手に示せる場所へ置く。
- 手元ならThis is…、離れた物ならThat is…で紹介する。
- 同じ物について、色・新しさ・大きさなどを一つ伝える。
- 二文目をIt is…にして、同じ物を指しているか確かめる。
例えば、手元の新しいかばんなら、This is my bag. It is new. ― これは私のかばんです。新しいです。 と書けます。離れた大きな箱なら、That is a box. It is big. ― あれは箱です。大きいです。 です。
二文目のItが何を指すか、自分で矢印を引いてみてください。Itからbagへ、Itからboxへとつなげられます。もし物を二つ紹介した直後にItとだけ書いて、どちらか迷う文になったら、物の名前をもう一度使うなどしてはっきりさせます。代名詞で短くすることだけが目標ではありません。
thisやthatは、名詞の前にも使えます。This book is new. ― この本は新しいです。 とThat book is new. ― あの本は新しいです。 では、this book、that bookで主語のまとまりを作っています。
ここにitを同じように入れ、It book is new.とするのは誤りです。同じ本だとわかっていてitを使うなら、It is new. ― それは新しいです。 とします。this・thatの後ろに名詞を付ける使い方と、it一語で物を受ける使い方は分けて見ましょう。
なお、今回のThis is…、That is…、It is…は一つの物を扱う基本形です。本が何冊もある場合の形は別に学びます。まずは一つの物を見せて紹介し、その物の情報を一つ足すところから試してください。
確認問題
- 手に持った自分のペンを「これ」と示して紹介します。近くの物を指す基本の形として選びましょう。(This / That) is my pen.
- 自分から離れた棚のかばんを「あれ」と指して紹介します。基本の形として選びましょう。(This / That) is my bag.
- This is my book. It is new.のItは何を指しますか。日本語で答えましょう。
解答・解説を開く
- This。この設定では、手に持った近くの物を「これ」と示しています。This is my pen.です。
- That。この設定では、離れた棚の物を「あれ」と示しています。That is my bag.です。
- 最初の文で紹介した、私の本です。二文目も同じ本について話しています。It is new.は「その本は新しいです」という意味です。
今日の一歩は、一つの物についてThis is…とIt is…の二文を言うことです。二文目のitが何を指すか相手に伝わるか、物を示しながら確かめてみましょう。
