英文を読み始めたら、知らない単語が一つ出てきた。すぐ辞書を開いているうちに、前の文の内容を忘れてしまった。そんなときは、調べる前に「今、何を知るために読んでいるか」を確かめてみましょう。
知らない語は、いつでも読み飛ばしてよいわけでも、全部をその場で調べなければならないわけでもありません。ここでは短い文章を使い、今の目的に必要な語と、後で確認できる語を分けます。長い文章でも、まず数文の範囲から試せます。
読む目的を決めると、必要な情報が見える
次の文章を、「ミナはかばんに何を何冊入れるか」を知るために読みます。purpleの意味がまだわからない、というつもりで考えてください。
Mina is a student. She has a purple bag. She puts two books in it. She takes the bag to school. She reads the books after lunch.
読み進めるための手掛かりとして、putsは「入れる」、takes the bag to schoolは「そのかばんを学校へ持っていく」、after lunchは「昼食後に」です。itは、ここでは前の文のbagを指しています。
知りたいのは、かばんに入れる物と数です。She puts two books in it. にtwo booksがあるので、「本を2冊」とわかります。purpleの正確な意味が出なくても、この問いに必要な情報は取れます。
このとき、「purpleはたぶん物の色など、かばんの特徴を表す言葉だろう」と、役割を仮に考えることはできます。ただし、それだけで正確に何色かまで決めてはいけません。わからない部分へ印を付け、今は本と冊数の情報を取り出して先へ進めます。
最初の目的が「かばんは何色か」なら、状況は変わります。purpleが答えに必要になるので、そこで意味を確認します。同じ未知語でも、読む目的によって優先度が変わるのです。
正確な意味を知らなくても、わかる範囲を保つ
知らない語の前後を見ると、「人や物の名前なのか」「何かを説明しているのか」など、大まかな役割がわかることがあります。しかし、役割がわかることと、辞書の意味が決まることは別です。
先ほどのa purple bagでは、bagがかばんで、purpleがその特徴を表している、と考えられます。ただし前後に色の説明がなければ、紫なのか銀色なのかなどは、英文だけで確定できません。実際のpurpleの意味は「紫の」です。
読んでいる途中では、次の三つを分けてメモできます。
| 今わかっていること | 仮に考えていること | まだわからないこと |
|---|---|---|
| ミナにはかばんがある | purpleはかばんの特徴を表す | purpleの正確な意味 |
| 本を2冊入れる | itはそのかばんを指すと読める | かばんの細かな見た目 |
すべてを表に書く必要はありません。「意味未確認」と小さく印を付けるだけでもかまいません。推測を確定した答えのように扱わず、どこまでなら本文から言えるかを保ちます。
文章の後ろに、わからなかった語の説明が出ることもあります。そのため、一文だけで止まらず、次の一〜二文を読んでから戻る方法も試せます。ただし、いつも後ろに説明があると期待して読み続ける必要はありません。話の中心がわからなくなったら、一度戻って必要な語を確認します。
行き先や行動の中心が不明なら、先に調べる
次の文章は、「ケンは日曜日にどこへ行くか」を知るために読みます。pondがわからない場合を考えましょう。
Ken goes to a pond on Sunday. He sees ducks there. He likes this place.
goes toは「〜へ行く」、seesは「見る」、ducksは「カモ」、thereは「そこで」、this placeは「この場所」です。どこへ行くかを知りたいのに、その場所を表すpondがわかりません。
この場合は、pondを先に調べる価値があります。カモがいることから水辺かもしれないと考えても、「川」「湖」「池」のどれかまでは確定できないからです。pondを確認すると「池」なので、ケンの行き先は池と答えられます。
最初の問いが「いつ行くか」なら、on Sundayから「日曜日」と取れます。ただし、文章全体の内容を理解したいなら、行き先のpondを後で確認すると、話が具体的につながります。読む目的を一つ終えた後に、必要な語へ戻ることもできます。
行動の中心となる動詞がわからず、「行ったのか、帰ったのか、待ったのか」が決まらないときも、その語を先に確かめる候補にできます。また、notのように文の意味を反対にする語を見落とすと、内容が変わります。小さい語だから重要でない、とは判断しません。
文章で何度も出てくる語、題名にある語、登場人物が何をしたかを決める語も、全体の理解に必要なことがあります。ただし「繰り返しが二回なら必ず調べる」と回数だけで決めず、その語がわからないために何が判断できないかを考えましょう。
印を付けて読み、必要な語から戻る手順
実際に取り組むときは、最初から辞書を開いたままにせず、短い範囲を一度読んでみます。まだ習っていない語が多く、文のほとんどが読めない場合は、短い文章や説明のある教材へ戻ってかまいません。
- 設問や目的を見て、何を知りたいか決める。
- わからない語に小さく印を付け、前後を読む。
- 知っている語から、答えに必要な情報が取れるか確かめる。
- 中心の意味が決まらない語を一つ選んで調べる。
- 調べた意味を戻し、文章をもう一度読む。
先ほどのミナの文章なら、本の冊数を確認した後、purpleに戻れます。ケンの文章なら、pondを調べてから三文を読み直します。どちらも「単語を引いて終了」ではなく、元の文章で話がつながったかまで確かめます。
辞書を引いても意味が複数ある場合は、前後の語や例文を比べます。その詳しい方法は、辞書のどの意味を選べばいい?前後の言葉から考える調べ方で練習できます。ここでは、まずどの語から調べるかを自分で選ぶことに集中しましょう。
文章全体を自由に読むときは、設問の代わりに「だれが、何をしている話か」を目標にできます。知らない形容詞が一語あっても人と行動が取れるなら、先へ進んで全体を見ます。人も行動も決まらなければ、中心になる語を先に確認します。
調べずに通った語を、二度と学ばなくてよいと決める必要はありません。読み終えた後に、これからも使いそうな語を少数選べます。一方、その場で出た未知語をすべて単語帳に追加すると負担が増えることもあるので、今の学習に必要な語から取り組みましょう。
確認問題
- ミナの文章で「かばんに何を何冊入れるか」を知りたいとき、purpleの意味が不明でも答えられますか。答えと根拠を示しましょう。
- 同じ文章で「かばんは何色か」を知りたいとき、purpleの意味が不明なら、どの語を調べますか。
- ケンの文章で「日曜日にどこへ行くか」を知りたいのにpondが不明です。「カモがいるから川だろう」と答えてよいでしょうか。次にすることを考えましょう。
解答・解説を開く
- 答えられます。本を2冊で、根拠はtwo booksです。 purpleはかばんの特徴を表しますが、この問いでは物と冊数の情報がすでに取れています。
- purpleを調べます。 色という目的に必要な語です。確認すると「紫の」なので、かばんは紫色です。同じ語でも、設問が変われば確認の必要性も変わります。
- 川だとは決められません。解答例:pondを調べ、「池」と確認してから文章を読み直す。 カモがいる場所はいくつも考えられるので、前後からの推測だけでは行き先を確定できません。
今日の一歩は、知らない語がある一文で「これがわからないと、何が答えられないか」を考えることです。読む目的を手掛かりに、先へ進む語と、先に調べる語を選んでみましょう。
