look、sound、become の後ろでは、「どのように見える・聞こえる・なる」と考えて副詞を置きたくなることがあります。しかし、これらの動詞が主語とその説明をつなぐとき、後ろに置く基本の形は形容詞です。You look happy. の happy は見る動作を修飾するのではなく、主語 You の状態を説明しています。この記事では、形容詞を選ぶ理由と、動作を修飾する副詞との違いを整理します。
基本ルール
連結動詞は主語と補語をつなぐ
look、sound、become は、主語を後ろの補語につなぐ働きをすることがあります。The sky looks blue. なら青く見えるのは空、The plan sounds good. ならよく聞こえるのは計画です。どちらも「S=C」の関係が成り立つSVCで、形容詞の補語が主語の様子や性質を示します。
lookは「〜に見える」を表す
look + 形容詞 は、目で受けた印象を述べます。You look tired. は「あなたは疲れているように見えます」です。tired が説明するのは主語 You であり、見るという動作の方法ではありません。そのため、副詞 tiredly を置く形とは意味と構造が異なります。
soundは「〜に聞こえる」を表す
sound + 形容詞 は、耳で聞いた内容や話から受ける印象を表します。Your idea sounds interesting. は「あなたの考えは面白そうです」です。考えそのものが面白いと評価しているので、補語には形容詞 interesting を置きます。sound の主語は、人の声だけでなく、提案や説明にもできます。
becomeは状態や立場の変化を表す
become + 形容詞 は「〜の状態になる」、become + 名詞 は「〜という立場・存在になる」を表します。The leaves became red. では色の変化、My cousin became a nurse. では職業の変化です。形容詞だけでなく名詞も補語にできますが、どちらも主語の変化後を説明します。
作り方・使い方
まず誰・何の様子を述べるか決める
「そのスープはおいしそうだ」なら、印象を受ける対象である The soup を主語にし、looks delicious と続けます。The soup looks delicious. の語順です。日本語の「私には〜に見える」に引かれて人を主語にせず、実際にどのものの様子を説明するかを確かめます。
主語を説明する語なら形容詞を選ぶ
He looks careful. では、彼が慎重そうな人に見えるという意味で、careful が主語を説明します。一方、He looked carefully at the picture. では、carefully が「注意深く見た」という動作のしかたを修飾します。look + 形容詞 と look + 副詞 + at ... は、同じ単語を使っても文の仕組みが違います。
意味に合う感覚の動詞を選ぶ
見た印象なら look、聞いた印象なら sound を使います。写真を見て「彼は元気そうだ」なら He looks well.、電話の声を聞いて同じ判断をするなら He sounds well. と表せます。well はここでは「健康な」という形容詞として働きます。単に副詞だから使えるわけではありません。
becomeの後ろでは変化後の状態を置く
The town became quiet at night. では、町が夜に静かな状態へ変わったことを示します。She became captain. なら、彼女がキャプテンという役割になったという意味です。日本語では「〜になる」の後ろにさまざまな語を置けますが、英語では形容詞または主語と同じ人物・物を指す名詞を補語にします。
時制は動詞側で表す
現在の印象なら looks や sounds、過去の印象なら looked や sounded を使います。変化が過去なら became です。後ろの形容詞は時制によって変化しません。The room looked dark yesterday. のように、過去の印は動詞に一度だけ示します。
例文
The sky looked orange after practice.(練習の後、空はオレンジ色に見えました。)orange は空の色を説明する形容詞の補語です。
This cake looks delicious.(このケーキはおいしそうに見えます。)見た目から受ける印象を look + 形容詞 で表しています。
Your idea sounds wonderful.(あなたの考えはすばらしそうです。)wonderful は考えを説明する形容詞です。
Her voice sounded calm.(彼女の声は落ち着いて聞こえました。)落ち着いているのは声なので、形容詞 calm を使います。
The days became shorter in autumn.(秋には日が短くなりました。)比較級 shorter も形容詞として主語の変化後の状態を示します。
My cousin became a nurse last year.(私のいとこは昨年、看護師になりました。)a nurse は主語と同じ人を指す名詞の補語です。
よくある間違い
主語を説明する場所に副詞を置く
Your idea sounds wonderfully. は、「その考えがすばらしそうだ」という意図には誤りです。正しくは Your idea sounds wonderful. です。wonderful は sounds の聞こえ方を修飾するのではなく、主語 Your idea の性質を説明します。
lookの二つの使い方を混同する
She looked sadly. だけでは、通常「彼女が悲しそうに見えた」という基本形にはなりません。その意味なら She looked sad.(彼女は悲しそうに見えました。)です。She looked sadly at the empty chair. なら、副詞が「悲しそうに椅子を見た」という動作を修飾するため文法上可能です。
becomeの後ろに副詞を置く
The room became quietly. は誤りです。正しくは The room became quiet.(部屋は静かになりました。)です。quiet は変化後の部屋の状態を表す補語なので形容詞を使います。副詞 quietly は通常、動作のしかたを表します。
名詞補語の前の冠詞を落とす
He became doctor. は一般的な職業を述べる文として不自然です。正しくは He became a doctor.(彼は医師になりました。)です。数えられる単数名詞 doctor には、ここでは冠詞 a が必要です。ただし captain など役職名では文脈により冠詞を付けない形もあります。
確認問題
後ろの語が主語を説明するか、動作を修飾するかに注目してください。
This music sounds beautifully.を「この音楽は美しく聞こえます」という正しい文に直してください。- 「その子どもは眠そうに見えます」を
lookを使って英語にしてください。 Ms. Ito became a teacher.のa teacherは何を説明する語ですか。
解答
形容詞と名詞が、どの主語を説明しているかを確かめます。
This music sounds beautiful.です。beautifulは主語This musicを説明する形容詞の補語です。The child looks sleepy.です。sleepyが子どもの様子を説明するため、形容詞を置きます。a teacherは主語Ms. Itoの変化後の職業を説明する名詞の補語です。「Ms. Ito=a teacher」の関係になります。
まとめ
look は見た印象、sound は聞いた印象、become は状態や立場の変化を表し、SVCを作るときは主語と補語をつなぎます。主語の様子や状態を説明する語には形容詞を使い、動作のしかたを表す副詞とは区別します。become の後ろには形容詞だけでなく、a nurse のように主語の正体を示す名詞も置けます。「後ろの語は何を説明しているか」を確認することが、形を選ぶ近道です。
